都市伝説のつもりが


550 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 04:54:09 ID:B7PChRelO

ある有名な作家が書いたホラー小説が映画化され結構なヒットをとばしてた頃があったよね。
そのブームに便乗しようと都内の某弱小プロダクションが90分程のOVを作ろうとした。
内容は実に陳腐なもので、都市伝説を取材する過程でいつしか伝説が現実となっていく
そんな様を実録風に描いたものだった。

当時のオレはある中堅所のポストプロダクションでビデオ編集をしていた。
206 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 05:13:05 ID:B7PChRelO
先に書いた映画のオプチカル合成なども担当こそ違うが、一部ウチの会社が請け負っていた。

今回の場合は低予算であまり知名度もないプロダクションであったが
スタッフも若く勢いがあり、また社長が以前に付き合いのあった
ある大手のTV局のプロデューサーが独立して立ち上げた会社でも合ったので半ば利益を度外視して請け負ったそうだ。

そういうゲリラ部隊的なプロダクションの仕事は危険も多い。
551 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 05:27:44 ID:B7PChRelO
前述の通りオレは収録班ではないから直接撮影にタッチすることはない。
しかし合成や特撮が絡んでくると当日の撮影条件が仕上がりに大きく関わってくる。
特に夜間の撮影が多いとなれば尚更だ。

東京での撮影を何カットか済ませ、台本の中心でもある地方ロケに赴く。
確か撮影期間は四日だったと思う。

207 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 05:36:59 ID:B7PChRelO
そのロケ地は以前にも行った事があった。
東京から日帰りで食べて浸かってこれる観光スポット〜!、そんなような番組を撮影した場所だ。
当時オレはまだ駆け出しで雑用からケーブル持ち、何でもやらされた。

そんな中でその土地ゞで食べる郷土料理は美味かった。
そこは蕎麦が美味だったのを覚えている。
705 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 07:11:49 ID:B7PChRelO
で、こうした映画、あるいはドラマを撮る場合地元の神社に御祓いに行くことが多い。
実際に何かが起こると言うよりも業界のお約束みたいなもの。

ただその日都内の某神社に集まったメンツはヒドかった。

徹夜明けで目の下に青いクマを作ったAD
未だにバブルの頃が忘れられない歩行困難なくらい酔っ払ったプロデューサー
半分鬱に入ったディレクター
飲めば飲むほどムダにヤル気が出てくる撮影班。
そして早く帰りたいオレ。

さらにはワガママでアホなタレント。

実際、神主はものすごく不快な顔をしていた

こんなカンジでオレ達のロケーションは最悪のチームワークでスタートした。
555 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 20:15:13 ID:B7PChRelO
話の大筋はこうだ。

アイドルになることを夢見て地方から出てきた田舎娘が東京で間悪戦苦闘する。
ようやく先が見え始めた時とつぜんの疾走。

しかし彼女は無事見つかった。
彼女の故郷と東京を結ぶ丁度中間点くらいの田舎の田の畦道で。
一台の焼け焦げた車が見つかった。
車内に一組の男女を残して。
249 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 20:24:56 ID:B7PChRelO
オレが参加したパートは彼女が失踪してから焼死体となって見つかるまでの一週間の足取りを辿った過程を撮影するものだった。
撮影初日、快晴、気温低し。
霞ヶ関より首都高に入る。
707 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 20:48:01 ID:B7PChRelO
こういう職業についていながら実は、オレお前ら大キライ!
そう心の中で連呼しながらロケバスに揺られること二時間。
ここで朝食弁当が振る舞われる。
ここでさっそく一悶着。
裏の主役とも言える焼死アイドルが朝から中華弁当は食えないときた。

バブルプロデューサーはビールはどうしたとスネる。

オマエもお前もオレ達がいなければタダのゴミなんだよ、
そう心の中で毒づきながら窓外を見れば既にコンクリートのビルなどは一つもなく冬枯れた山、刈り取られ稲の根元だけをのこした黄色い田
その合間ゝに赤いトタン屋根の農家。
日帰りで行ける観光スポット。
255 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 21:54:12 ID:B7PChRelO
目的のロケ地には昼前に着いた。
管理人から廃屋のカギを受け取る。
廃屋といってもサイレンに出てくるようなものではなく
次に住まう人を待つ、それまでの間ちゃんと定期的に手を入れられている屋敷だ。
だが広い、元は旅館か?
そこを中心としてオレ達は撮影を始めることになる。
561 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/26(土) 22:27:45 ID:B7PChRelO
ここでこの撮影に参加したメンバーを軽く紹介しとく。

まず一番エラいプロデューサー
コイツがオレは一番キライだ、今にも名指ししてしまいそう、ご…
痩せがたでメガネけてて鼻の下にヒゲはやしてるバカ。

次にディレクター
彼は作る作品悉くヒットもなくて幾分ノイローゼ気味。
アシスタントディレクター、体力あり、けっこうイケメン、フットワーク軽いのでオレ的には○。
タイムキーパー兼アシ、メチャクチャ頭イイ、気が利く、但し外見は恋愛対象にはなりにくい、好みによるが。

プラスオレ達、バカかアル中。それ

で、ワガママな役者さん。
男一名、女二名。
詳しくは述べられず。
でも今は影も形もなくザマーミロ的な人。
261 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/27(日) 11:59:41 ID:wHAua0MdO
役者について少し補足。
突然の友人の失踪と死に驚く女(こいつとりあえずM)。
警察では金銭トラブルに絡んだ心中で片づけられるが
何故か男は運転席、アイドル女(こいつYにしとく)は後部座席にいた事に疑問をもつディレクター(こいつはT)
その事件をレポートしていつかはアナドル目指すリポーター(こいつは以下A)

そんな役割で話は進められていく。

まず畦道の焼け焦げた後が生々しく映される。
次に発見された当初の車を置いてフラッシュバック。
同ポジさえとれれば問題ないカット。

その日寒かったが快晴、しかし車内の窓がいくら拭っても曇りが消えない。
アシ(以下AD)がレインXを買いに行く。
279 :荒らしな自己中[sage]:2008/01/27(日) 23:30:05 ID:wHAua0MdO
その日はいい画がとれた。
その車は地元で借りたレンタカーだった。
軽自動車でドアはリモコンでも開けられるタイプだった。

まずリポーター役のAが運転席に座って当時の状況を説明する。
後部座席にはM。
彼女達に演技指導をするTが少し離れた所に立つ。

それらすべてをフカンでとらえるカメラ。

このシーン、実はAが説明をしつつ窓を開けて首を出す。
そこへ窓がいきなり上がってくる。
Aはガラスと窓枠に挟まれて…、すんでのところでスタッフに助けられる。
そういうシーンだった。
Aが窓から首を出し外からスタッフがリモコンで窓を上げる。

ギリギリの所でパワーウインドゥを止める。
OK、上手く撮れた。

その時初めて気づいた、後ろに座っているはずのMがいない。
280 :本当にあった怖い名無し[sage]:2008/01/27(日) 23:49:30 ID:wHAua0MdO
カメラマンも車の前部に気をとられていて後部座席にまで気が回らなかった。
Mはちゃんと後部座席にいた。
腹を押さえ、体をくの字に曲げてゲーゲーやっていた。
Aは自分のパートで精一杯で気が付かなかったという。
ほんとかよ、臭いだろフツー。
気付よバカ。

でもそのロケはフツーなら気付くべき所を皆がどこかでスルーしてしまう、なんか地に足が着かないようなロケだった。
それなりに皆ベテランの域にいるスタッフだったのに。

とりあえずその日に撮るべきカットは撮ったのでオレ達は宿舎に戻る。
その宿舎ほんとに広がった。
演者も含めてスタッフ全員が一階に寝た。
二階は左手に山を望む窓が続く長い廊下があり、
その右手に小さな部屋がいくつも並んでいる。

やはり元は旅館なのかな、そう思った。

本気でオレがキライなプロデューサー(マジ名前でそう、タモリ知ってる、とりあえずGな。)
コイツの号令のもとに宴会が始まる

みんな初日で眠いのだが仕方なく付き合う。
一番最初にGが沈没。

その後にやっとスタッフミーティング。

Mに非難の声、吐くなよお前。
M
帰りたい、早く帰りたい。

スタッフの一人がたまらず言った。

お前プロの役者として恥ずかしくないのか。

M
ドーデもいいから早く帰りたい。

撮影に慣れてないオレは隣のカメラマンに聞く。
いつもこーなの、オマエら?
んなワケねーだろ。
283 :荒らしな自己中[]:2008/01/28(月) 00:46:27 ID:P0RAeLDeO
ここまであちこちのスレを読み進めてくれた(一応オカ板内に留めておいた、これがオレの小さな良心)
オマエ等につぐ
このハナシなんかオカシイと思わないか?

あまりに話が細かすぎないか
AV好きな人、彼女の名前知ってるかい。
その家には電話はなかった。
とり次いだのは鍵を渡してくれた管理人だった。
ここでこの撮影現場のの立場をハッキリさせておけぱ、オレ達は下請けのテレビクルー。
この企画そのものは制作会社の元にある。
オレ達にとってみれば彼等はあくまでお客様。
半年前にその会社に入ったADにも十年この畑を歩いてきたオレも頭を下げる。
今から思えばそれが悪かったのかも知れない。

長年現場を歩いてきたカンってやつをもっと活用するべきだったかもしれない。

これはオレの先輩である同行したカメラマンも言っている。

とにかく電話。
思いっきり脅されたそうだ。
ここで二つの側面が出てきてしまった。
オカルトから切り込んだオレ達。
マジ切り込んできたヤクザさん。

この話は単なる都市伝説ではなかった。

実際にそういう事件があったという事実をオレは知らなかった。
298 :荒らしな自己中[sage]:2008/01/28(月) 10:39:16 ID:P0RAeLDeO
すまん、前のレスで書き足りなかった。
電話に出たのは制作プロのADな。
イケメンだがまだ若い彼はその相手の一言でビビっちまった。

つまるところこの件にあまり深く係わるな
そんな事を言われたらしい。

ハッキリ言って、プッ、てかんじです。
オレ達がそんなことに一々ビビってたら真実を報道できますか?

これはあのオレが大嫌いなプロデューサー、ゴ…も同意見だった。

オレ達はADの意見を無視してそのまま飲み続けた。
女の子達はポツポツと自分の部屋に戻っていく。

いつしかその部屋にいるのはオレとカメラマンだけになった。

プロデューサーとAD、そしてディレクターは俺たちの前で沈没してた。

酒強いのよオレ達。
299 :本当にあった怖い名無し[]:2008/01/28(月) 10:58:56 ID:P0RAeLDeO
やっぱり絶対オカシイと思うオレ。
だってここまでオカルト的な要素ないじゃない。
ただ単に都市伝説をでっち上げそれを売りだそうとしただけ。
その土地にオカルトな噂は何もないわけ。

でもその家の二階を誰かが歩く音がするわけ。

これは一緒に飲んでいたカメラマン(めんどくさいから以下Cな)もはっきり聞いている。

その撮影に係わった全員は間違いなく一階にいる。
或いは先のADが受けた電話の主の嫌がらせ。
むしろリアルな意味でそちらの方をオレは心配した。

オレとCは二階に上がる。
322 :荒らしな自己中[sage]:2008/01/28(月) 18:49:01 ID:P0RAeLDeO
一つだけ教えてほしいのだか。
このスレに集まっているヤツらだいたいいくつ、歳?

それによっては本気で逝くよ。

何を言いたいのかわからない?
それはオマエサンが短絡的に形のいい言葉に慣らされているからだよ。

死ぬほど洒落にならない話、ほんとに聞きたいか?

おれの勤めるビルからは常に東京タワーが見える。
結局オレ達は彼に踊らされていただけじゃないのか?

かつてあの塔の展望台から、ゴミ箱でガラスをけやぶって飛び降りたやつがいた。

東京タワーにゴミ箱がないのはそのせいだ、

そして彼の息子があのロケに参加していたこと。
この因縁を考えてオレはマジでゾッとした。

たぶん、今だから言えることなんだろうな。