猿聟入

330 聞いた話 sage 03/11/29 00:31
「猿聟入」
昔ある村が日照りに襲われたため水を引く事になり、その際猿男の力を借りた。
猿男はその働きの対価として「村の娘を嫁にくれ」と言いだした。
話し合いの結果、長者の三女を猿男の下へ嫁入りさせることとなった。
長者は嫁入り道具として臼と扇子を持たせることとし、
猿男は臼を担ぎ、娘は扇子を持って猿男の住む山へ向けて出発した。
途中橋を通る際、娘は扇子を川へ放り投げ、猿男にそれを取ってくれと泣きついた。
猿男はすぐさま川に飛び込んだが、臼の重みでたちまち溺れてしまった。
進退窮まった猿男は「俺はこうなってもお前の事が忘れられん」
と言い残し、川底に沈んでしまった。


331 聞いた話 sage 03/11/29 00:35
この「猿婿入」という話は複数の人から聞いたのですが、
今まで、私は特に興味を持っていませんでした。

それが今日、雷鳥一号さんの「くだん」の話を見てふと思い出し、
下調べをするために検索してみました。
キーワードは「猿婿入」「臼」「扇子」
ヒットしたページの中に↓こんなものがありました。

http://www.library.pref.kagawa.jp/kgwlib_doc/local/local_3001.html

ここには「猿聟入」の類話が載っています。
そこに登場するのが狒猿。これは「ヒサル」と読めます…

ちょっと総毛立ちました。



342 雷鳥一号 sage 03/11/29 01:17
>>331 そこに登場するのが狒猿。これは「ヒサル」と読めます…
おそらく狒々という妖怪の影響があるのではないでしょうか。
猿に似ているが、猿以上の存在として「狒」という字が使われたのでは
と類推しております。
あくまでも個人の考えで、全然アカデミックな説ではないですが。
しかし、面白いサイトですね。
ここを読むと、桃太郎と一寸法師と力太郎が元は一つの話だったという
説を思い出しました。

紹介された「狒猿」ではないのですが、「狒々猿」の話を一本知っています。
内容は前スレのヒサルキとほとんど同じです。
重複するのもアレかなぁと思いUPはしなかったのですが、狒々繋がりと
いうことで書きましょう。

もう一本、飛猿(ヒサル)っていう話もあるのだけど、どうしようかな?


344 聞いた話 sage 03/11/29 02:10
>>342
>おそらく狒々という妖怪の影響があるのではないでしょうか。
ええ、私もそう思います。
狒々の伝承は、「猿聟入」の類話同様、全国にあるようですから。
この話、聟殺しの話の類型になっているところも面白いですね。
この点については後述します。

>もう一本、飛猿(ヒサル)っていう話もあるのだけど、どうしようかな?
是非聞かせて下さい。お願いします。

>>343
これは、内容的に「キヒサル」の話と重なるところが多々ありますね。
・鉄砲でも死なない
・山の獣を食い尽くす
・火で殺す
・忌みごとが降り掛かる。

以前から「ヒサルキ」というモノは山との関わりが深いのではないか?
という風に考えていたので、一連の話には好奇心を刺激されます。

あと、異人伝承を連想させる点も興味深いですね。
先に述べた婿殺しの話は、異人殺しという風に読み解くことができるので、
これらの話から、山に棲む異人の存在が浮かび上がってきそうです。

と、気が付けば、随分まとまりのない文章になってしまいました。
申し訳ありません。

371 雷鳥一号 sage 03/11/29 23:07
>>344
聟入のお話って、余所者(山から下りてきた者)を利用するだけ利用すると
殺しちゃうって流れがほとんどですね。
当時の価値観が如実に現れているようで興味深いです。
よっぽど身分差別が酷かったんでしょうね。

そう考えると、ヒサルのヒの字は、エタ・ヒニンのヒに連なる可能性もある
のではないかと思えます。
これ以上言うと言葉狩りに遭いそうですな。(--;)

まあ、実際は六部殺しのお話の単なる変形バージョンなのかもしれませんが。