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sage 03/11/19 15:06
- ずいぶん昔に聞いた話なので、ところどころ記憶が曖昧なのですが、ヒサルキ
という名前と>>217-219の話に共通点があると思うので、書いてみます。
村の年寄りから、キヒサル(キヒザル)という話を聞いたことがあります。
聞いただけなので字は分からないですが、話の内容からすると「忌避猿」とな るのかもしれません。
キヒサルは群れからはぐれた猿を狙って体の中に入り込みます。乗り移られた
猿(以下キヒサル)は獣を殺し、その肉を食うようになります。また、その外 見を利用して猿の群れに近づき、手当たり次第に殺して食べます。その食欲は
尋常ではなく、キヒサルが現れた山では獣の数が一気に減るとまで言われてい ます。結果、山には獣の死骸がゴロゴロ転がることとなり、それで猟師や杣は
キヒサルの存在に気付くのです。 共食いをするキヒサルを、特に猟師は忌み嫌います。
ただ、トラバサミや柵で捕らえても、キヒサルの本体(ヌシ)は乗り移った体 (グヨリ?)から逃げてしまいます。(そんな時、残されたクヨリは抜け殻の
ように、がらんどうになっているそうです。)また、鉄砲で撃ってもキヒサル は、なかなか死にません。
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sage 03/11/19 15:07
- だから、キヒサルが現れると、猟師と杣は手分けして山狩りをします。
人と違って、キヒサルは道を通るとは限らず、その一方で火や金物の音を恐れ
るので、松明を持って銅鑼や半鐘、鍋などを叩いて、山裾から山頂へ追いやる ようにします。キヒサルが近くにいる気配は匂いで分かるそうです。(私が聞
いた話では、キヒサルが近づくとサビのような匂いがするとなっていましたが、 これは金気臭い匂いではないかと推測します。)キヒサルを見つけても、間違
っても触れてはいけません。(ただ、その理由や触るとどうなるかは覚えてま せん。)山狩りに参加した人は、ひたすら山頂近くに設置した罠のところへキ
ヒサルを追い込みます。 草を刈った平地に追い込んだら、木の上に渡してある油を染みこませた布をキ
ヒサルの上に落として捕らえ、すぐさま焼き殺します。ヌシの姿を直接見ると 目が潰れると言われているので、このような方法を使うのだそうです。
キヒサルの起源は分かりません。もしかしたら、何らかの伝染病(狂犬病みた
いなもの)に対する恐怖がこのような怪物(妖怪?)を創造したのかもしれま せんが、猿を媒介する伝染病が当時の日本に存在したのかは、私の知識ではな
んとも言えません。
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