- 155 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ sage 03/12/20 22:21
- 友人の話。
一人で山歩きをしていた時のこと。 休憩しようと荷物を降ろすと、背側に何かがくっついているのに気がついた。
まだあまり熟れていない、何かの果実のようだった。 薄気味の悪いことに、実の表皮にはまるで人の顔のような凹凸が浮き出ていた。
その口に見える部分で、ザックの紐に噛み付いていたらしい。 どこで取り付かれたのかは、まったく分からなかった。
物好きな彼は、人面に触る気がしなかったこともあって、その果実をつけたまま 山歩きを続けたそうだ。
二つ尾根を越えた所で、ボトリという落下音が聞こえた。 振り返ると、人面果が転がりながら、下生えの中に消えていくところだった。
ああやって生息圏を拡げている植物なのかな。 そう思ったのだそうだ。
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