- 738 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ sage 03/12/11 01:17
- 知り合いの話。
彼の祖父はかなりの偏屈で、人里離れた山中に独りで住んでいた。
人間嫌いで、彼の母が時々様子を伺いに訪れる以外には、人付き合いも無かった。 いつの頃からか猿を飼っていたらしい。
その祖父が死んだと連絡が入り、彼は久しぶりに実家に帰った。 葬式が終わり、祖父の家の片付けをしていた時のことだ。
彼が祖父の遺影を持って歩いていると、背後から嫌な笑い声がした。 振り返ってみると、猿が狭い檻の中からその遺影を見ていた。
猿は心底嬉しそうに、顔をいやらしく歪めて笑っていた。 その様はまるで人間のようだった。
爺ちゃん、一体どんな飼い方をしていたんだよ? 思わず呟いてしまったのだという。
気持ちが悪くもあり扱いにも困るので、猿は次の日に山に放したそうだ。
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