ホテルの夜



818 本当にあった怖い名無し 2013/01/04(金) 12:03:12.71 ID:YUBNkiIs0
何年か前に上野のビジネスホテルに泊まった時の話なんだけど‥‥
そのホテルに着いたのはもう深夜近くだった。
薄暗い廊下を係りの人に案内されて「こちらです。」と部屋の前まで来た時
全身に悪寒の様なものが走って『この部屋に入っちゃダメだ!』という想いも走った。
ちなみに、オレに霊感は皆無だ。
深夜だったし、係員はもうドアを開けて荷物を入れていたし、
今更部屋を変えて欲しいとは言い出せなかった。
それでやむなく部屋に入ろうとした、刹那、足先がピシピシピシっと、
入ってはならない領域に踏み込む音を立てた。もちろん音など聞こえない。
ドアは閉まった。
シャワーを浴びすぐにとこに入りまどろんだ頃‥‥壁から薄っすら声がする。
声はだんだん大きくなり、お経のようになった。
女だった。オレの首を絞めながら、真っ赤な口紅の口角を人間らしからぬ程に吊り上げ笑っていた。
金縛り‥ってやつ?体が動かない。
脳裏にさっき使った浴室が映る‥‥血染め!? 次に悲鳴!!
一階のフロントのざわつきに人々の只ならぬ往来の足音!!
‥‥そんな映像や音が終わった後、オレの首を絞めていた女は消えていた。
全身冷たい汗が滴ったが、再び浴室に行く気にはなれなかった。
眠れぬまま朝になり、オレは二階のその部屋を出た。
「ここで、女が自殺したのか?」とは聞けないまま、フロントの笑顔を背にした。
霊感が無いだけにかなりキツイ体験でした。。