- 797 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 22:29:53.52 ID:u2ZAqxDN0.net
- これは、俺の友人が小三の頃に経験した話だ。
俺がそいつと知り合ったのは高校でだから、 あいつとは別の小学校に通っていた。 どこにでもあるような、ごく普通の公立の小学校だったらしい。 あいつ(仮にAとする)は、今住んでるところに、小学二年の終わりごろに引っ越してきた。 中途半端な時期に越してきたから、 すぐには友達ができず、大人しくて、ちょっととろい性格でもあったから、なおさらだった。 近所に、Bというやつが住んでいた。 たまたま、引っ越しのあいさつの時、母親同士、お互いの子供が同い年だと知ると、 近くなんだから、お友達になりましょうねなんて話になった。 しかし、Bは、乱暴なところがあるやつで、 子どもだけの時には、気に入らないことがあると、ぶっとばすぞというのが口癖だった。 今思い返せば、親からそう言われて育ってたのかもと少し気の毒に思うらしいが、 当時はそんなことなんか考えられるはずもなく、 ただ、Bのことを怖いな、でも母親からは「お友達と仲良くしなさい」と言われるし、 どうしたものかと思いながら、幼いせいもあり、Bの言いなりになっていたそうだ。 時々、Bも優しく、お菓子やアイスをくれた。 (あとで、万引きしたものだと知ったらしい)
- 798 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:36:15.35 ID:u2ZAqxDN0.net
- Bとはクラスが別々だったから、放課後以外は、Aは学校で一人で過ごすこともあったそうだ。
休み時間に図書館で本を読んだりしていたらしい。 そんなある時、児童の間で、学校に幽霊が出ると噂になった。 Aは怖い話が好きで、よく本で読んでいたから、詳しいんじゃないかとBから色々と聞かれた。 そうこうしているうち、肝試しをしようという話になった。 夜中に学校に忍び込んで、その霊を見ようと。 もうすぐ夏休みの時期だったから、 Bの家でお泊り会ということにして、家族が寝静まってから、家を抜け出そう。 Bの家となったのは、Bの父親は朝早くに出かける仕事だったため、 家族が早寝をする習慣があったからだ。 それから一週間後、早速、二人は実行に移すことにした。 Bの家族が眠ったのを確認すると、二人はBの家を密かに出た。 「すっげー、ドキドキする」 Bははしゃいでいた。 Aも、こんな夜中に親に内緒で出かけるなんて、初めてだからドキドキしていた。
- 799 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:39:26.70 ID:u2ZAqxDN0.net
- 人気のない学校は、暗くしんと静まり返っていた。
昼間の明るく騒々しい雰囲気とは一変し、 生の温もりが感じられない、冷え切った場所に感じられたそうだ。 Aの印象では、夜の闇を背にした校舎の白い壁は、 闇の色が溶け込んだように、夜との境目が分からなかったとか。 一階の窓の一つを石で壊し、そこから中に入りこんだ。 街灯の明かりが、ぼんやりとさしこむ程度だった。 外よりも、ますます暗く思えた。 しかも、夏だというのに、床から上る空気はやたらとひんやりしていた。 「うわあっ、なんか変な感じだなあ」 Bの驚く声に、Aもうなずいた。 二人はまずトイレ、それから体育館、理科室、音楽室、教室などを見て回ったが 怪しげなものは特に見当たらなかった。 「おまえ、お化けが出るってウソじゃねえの!?」 Aの右足をBがけった。 「痛いっ!」 Bは謝らなかった。
- 800 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:43:19.68 ID:u2ZAqxDN0.net
- 二人は最後に職員室へ行ってみることにした。
最後に残していたのはなぜかというと、 もしかしたら、まだ仕事をしている先生がいるんじゃないかと心配だったからだ。 一階の廊下を歩いていく。 二人の足音がひたひたと廊下に響いていた。 それ以外に音はしない。 忍びこんですぐは自分たちの足音にも怯えていたが、すでにすっかり慣れ始めていた。 AはBにけられた足が痛み、少しひきずるように歩いていた。 あまりの静かさに、Aは、このまま何事もなく帰ることになるんじゃないかと思っていた。 職員室まであと少しという時、廊下の窓際に何か白っぽいものが落ちているのを見つけた。 普通なら、落し物があったら、先生か児童が見つけて拾い上げ、 「忘れ物入れ」と書かれた、職員室前のボックスの中にしまっているはずだ。 おかしいなと思いながら、近づいていく。
- 801 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:48:26.08 ID:u2ZAqxDN0.net
- 近くに来て、ようやく、それが何なのか分かった。
男物の白いブリーフだった。 サイズからして子どものものではなく、大人のもの。 しかも、ところどころ茶や黄色に汚れている。 「うわっ、何だよ、気持ち悪い」 「サイアクじゃん」 「先生の忘れ物かなあ」 「けど、こんなもん忘れるかよ。どの先生だろう。Cかな」 C先生はよく怒鳴る、怖いことで知られている先生だった。 そんな事を話していると、 「ほ…れ…、わたひの…です。ふみません…が、とっ…てもらへま…せんか」 というかぼそい声がした。 声がした方は、汚れた下着が落ちている窓際とは反対側の、 二階へと上がる階段からだった。 「うわっ!」 振り返ると、そこに男がいた。 階段の手すりに寄りかかり、足を投げ出して廊下に座りこんでいる。 頭は薄くなりかけ、眼鏡は脂で汚れている。 その奥に見える目は虚ろで、どこを見ているのか分からなかった。 身に着けているものは、首から下げたネクタイと白いランニングシャツ一枚、そして黒い靴下。 他は何も着ていない。 二人は思わず息をのんだ。
- 802 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:53:06.80 ID:u2ZAqxDN0.net
- 男はもう一度言った。
口の中に靴下でも詰めこまれているような、聞き取りにくい、たどたどしい声。 「ほ…れ…、わたひの…なんです。汚…ひてしまっ…て、洗って…そこに…干ひて…いたんです。 そろそろ…乾い…たと…思ふ…ので、とっ…てもらって…いい…でふか。 私、お…腹を壊し…ているみた…いで、動…けない…んです」 よく見ると、廊下に落ちた下着は濡れていた。 おじさんの言葉とは違い、まだぐっしょりとしていた。 水がしたたり落ちそうなぐらいに。 「こいつ、やばいよ」 Bがささやいた。 「とって…くだはいよー」 Bが肘でAの脇腹をつついた。 「おまえ、やれよ。やれば黙るんじゃねえか」 Bが嫌なように、もちろんAも触りたくなかった。 他人の下着、しかも汚れたものなんて。 「とってくだはいよー。お願いしますから」 おじさんは執拗だった。相変わらず、目の焦点が合っていない。 「やらないと、ぶっ飛ばすからな」 すっかり痛みを忘れていたのに、さっきけられた足が再びしくしくし始めた。 Aはどうしようと悩んだ。 正直、手では触りたくない。誰だってそうだろう。 だとしたら、足でけって渡したらどうか。渡せばいいことなんだから。方法なんて構うものか。 左足で支え、痛む右足でけろうと、足を上げた。
- 803 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/17(木) 23:57:50.40 ID:u2ZAqxDN0.net
- 「うわっ、助けてくれ」
Bの叫び声がした。 なぜか、すぐ後ろにいたはずのBがいない。 どこへ行ったのか。 階段の近くで、Bは男にしがみつかれていた。 手足をじたばたさせ、Bはおじさんから必死に逃れようとしている。 慌てふためく姿は、今までに見たことがないものだった。 その時、Aは、おじさんの後ろに誰かがいるのに気が付いた。 女の人だ。年はそれほど若くない。 顔は青白く、首のあたりが真っ赤だった。 一目で、生きている人間ではないと分かった。 怖くなったAは、一人、がむしゃらに廊下を走った。 どこをどう走ったのか、気が付くと自分の家の前にいた。 起きてきた家族の心配そうな顔を見て、ホッとしたAは思わず泣いてしまった。
- 804 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/18(金) 00:02:14.05 ID:qX+fSYj60.net
- 翌日、Bは学校近くでうろついているところを発見された。
目は虚ろで、錯乱したのか、訳のわからないことを話していたらしい。 すぐに病院に連れていかれた。 そして、それきりBの姿を見ることはなくなった。 Bを苦手としていたのは、Aだけではなかったから、ホッとした子もいたようだ。 そのうち、皆、Bがいたことなんて忘れてしまった。 Aもたくさん友達ができた。 昔、AとBとが通っていた小学校で、ひどいいじめがあった。 いじめられていた子は自殺した。 学校側の対応も悪く、当初はいじめはなかったと主張した。 マスコミによって大々的に報道され、 当時の校長の名前もさらされ、日本中から強い非難を浴びた。 家にいたずら電話があったり、中傷されたり、脅迫されたり。 精神的に追い詰められた校長は、妻を殺した後、自ら命を絶った。 首を吊ったらしい。 夫婦の死は、新聞にも載った。 人は首を吊った時、体中の穴から、体内のものが外に流れ出るという。 校長が亡くなった時も、そういう状況だったんだろうな。 さすがにそれは、個人の名誉を守るため、報道はされなかったらしい。 それはそうと、なぜ俺がここにこんな話を書いたかというと、 実は、Aからその学校に行かないかと誘われているからだ。 中学の時にも同じようなことがあったが、よく覚えていないらしい。 もう一度、本当にあったことか確かめたいのだと。 夏休みに入る来週にどうかと誘われているんだが、俺は行くべきなのか、行かざるべきなのか、どっちだろう。 Aなんかにチキンだとバカにされるのも癪に障るし、 かと言って、こんな話を聞いているのに行けないなとも思う。 皆、教えてほしい。
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