お告げ

889 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/06/26 22:49
(き、来た!)
私は体全体がギュっと締めつけられるような感覚に襲われた。金縛りである。
指一本、動かせなくなっていたが意識ははっきりしていた。
やがて、唯一動かせる目が天井の片隅に奇妙な物を捉えた。
初めは青白い炎のようなものがチロチロはためていたかと思うと、直後、それは赤い物に変わった。
輪郭もおぼろげな、それはおかっぱ頭の女の子・・・?!
赤い服?・・・・・いや、違う・・・。赤い浴衣だ!

隣には泊まりに来ているこの家を実家とする友人、かおるが眠っている。
気づいて欲しくて、必死に体を動かそうとするがまったく動かない。
と、天井の影が次第に大きくなると、それは枕元に移動してきた。
女の子の、まるで黒い穴のような目が私を見据える。と何かが伝わってきた。
「良かった。お姉ちゃん私がわかるの?今まで誰も気づいてくれなかったの。」
(?)
「私のことはこの家で一番年上の人だけが覚えてる。私のお姉ちゃん。」
(お姉さんって、この家のお祖母さんのこと?)
かすかにうなずいたようだ・・・
その女の子が言うには、お家の裏の小さな川に何十年もいる。まわりも自分の上も
泥がいっぱいで気持ち悪くてもう嫌だということであった。
最後に名前を聞くと、直子と教えてくれた。そして姿は消え、金縛りも解けた

実は友達のかおるの家に着いた時に、すでにひんやりした嫌な空気を感じていた。
霊がいる場所に来ると、こういった悪寒を感じることがある。
しかし、一日過ごしてみるとその後その感覚は襲ってこなかった。
安心して眠りについたら、あれが出て来たのだ。

すぐにはかおるに話すことは出来なかった。
しかし、車で遊びに行っても心ここにあらずの私が気になったようだ。
「具合が悪いの?それともなんか家族がやった?」
「違う違う、うーん・・後で話ね。」と帰りに話をすることにした。

帰りの車の中で、自分の見たものの話をした・・・
彼女は、私が昔から霊体験をしていることを知ってる友人だが、
それでも信じがたい顔をしていた。
だが、かつて祖母から、妹がいたのだが幼い頃に行方不明になった話は聞いていた。

続く

890 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/06/26 23:18
話を聞き終えたかおるは、依然、半信半疑のようだ。無理もない・・・
「嘘みたいな話だね・・ただ、確かに祖母には妹がいたし・・・
とにかく、名前を聞いて一致したら、あんたの霊感を信じるしかないんだろうね・・・。」
その後は別の話に花を咲かせて家に帰った。

夕食を食べた後、祖母に話を切り出した。
「おばあちゃん、昔、おばあちゃんに妹いたって話してくれてよね。そして・・・
その妹は小さい頃に行方不明になったて・・・。」
「ああ・・・あの頃は・・神隠しに遭ったって大騒ぎになってねぇ。結局、見つからなかった・・・・」
思い切って、名前を聞いてみた。
「ねぇ、その妹の名前って・・・もしかして、直子?」
「よく、知ってるね・・・私はそこまで話した記憶がないんだが。」
私は、やっぱりと思いました。
かおるは、傍目に見てもわかるぐらい顔がこわばってました。
それを見たお祖母さんが、
「かおる?どうしたの?・・・・なんで今頃そんな話を・・・・・。」
かおるが私から聞いた話をしだすと、その場にいた他の家族も顔色が変わっていきました。

当時の話をしてくれました。
妹さんはその頃、4歳でお祖母さんのいちばん末の妹でした。
行方不明になったその日は、私が見た白い朝顔の模様の赤い浴衣を着ていたそうです。
そしてお祖母さんが、
「私はもう小学校を卒業する年齢でね、大人達が大騒ぎしてたのも覚えてる・・・・
そう、裏の用水路だったの・・・・。どうしてあの時、気づいてやれなかったのだろう?」
するとかおるの義兄が、調べて見た方がいいかも、と言いました。
そして、いろいろ手配してくれる事になりました。

翌日、告げたとおりの場所で分厚い泥に埋もれた幼児の白骨化した痛いが発見されました。
赤い浴衣はもはや朽ち果て、切れ端すら残っていなかったです。
お祖母さんは、きれいに洗われた小さな骨をなでながら、
「直子、ずっと苦しかっただろうねぇ。こんなに長い間、気づかないでごめんね。
これからはお父さんとお母さんと一緒のお墓に入れてあげるから、今までの分、
思い切り甘えるんだよ。」と、泣きながら呟いていました。

その日の夜、私は金縛りもなく直子ちゃんの夢を見ました。
夢の中のおかっぱ頭の女の子は、今度は着物の柄も姿もはっきりした、とても可愛い女の子・・・・
(直子ちゃん。)と話しかけると、
「お姉ちゃん、ありがとう。泥がなくなって、今とても気持ちいいよ。
もうすぐ、お父ちゃんやお母ちゃんとも会えるし・・・・本当にありがとう。」
直子ちゃんはそういってもっこり笑い、消えていきました。
・・・・・目を覚ました私の頬には、涙が流れていました。