- 407 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/13(金) 01:06:54
ID:fE6VpE7L0
- 48 名前:そーやー[sage] 投稿日:2008/06/12(木) 01:25:28 ID:Dc1+2+Na0
大学サボッて家でゲームしてたら、友達(Y)からメールが来た。
「やべぇよ!すげぇの見た!!この興奮をおまえにも分けてあげたい!」
とかこんな文面だった。 どーでもよかったけど、とりあえず「何があったの?」って返信したら
「会って直接話したい。電話やメールじゃだめだ」 みたいな返事が来たので、暇だったし会うことにした。
場所はYが「腹減った。マック食いたい」と言ったのでマック。
で、俺のほうが先にマックに着いて、Yを待つことにした。
しばらくするとYが来たけど、何故か顔面蒼白。 しかも、人が食ってるチーズバーガー見て 「そういうことか…」
と呟いて座りもしない。
何だか様子がおかしいので、落ち着いて話を聞こうと思って 「とりあえず、何か頼んでくれば?」
と言ったら、突然 「ハンバーガーなんて食えるわけねーだろぉが!!!!!」 とYブチ切れ。
てめーが食いてーって言ったんだろうが!!! とキレそうになったけど、そこは抑えて 「何があったんだよ」
と冷静に聞いてみると、今度は 「俺が悪かったんだよな。もうヤバい。ヤバいんだよ。」 と半泣き。なので
「俺とメールした後、何かあったのか?」 と聞くが、無言。 こっちも何も言わずに黙っていたら、そのうちポツリポツリとYが話始めた。
- 409 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/13(金) 01:08:51
ID:fE6VpE7L0
50 名前:そーやー A[sage] 投稿日:2008/06/12(木) 01:32:06
ID:Dc1+2+Na0 Yは大学に向かおうと電車を待っていたんだけど、 そこで人身事故に遭遇したらしい。
スーツを着た中年の男がフラフラと線路の方に歩いていって、 Yが「おかしいな」と思った瞬間、電車に飛び込んだらしい。
電車は男を文字通り「巻き込ん」で、 あたりにはおかしな色の塊が飛び散ったり、女子大生らしい子が発狂したり
自動販売機の上に何故か男の靴が片方載っていたりと、まさにカオス。 その状況下でYは俺に、この「興奮を」メールをしてきたというわけだった。
なのでYは、事故にショックを受けるというより完全に楽しんでいたらしい。 そして、Yは俺にメールを送りながら野次馬をし、
その後トイレに行こうと昇りのエスカレーターに乗った。 他の客もみんな興奮していて、 「死ななくてもねぇ」 とか
「すごかったねぇ…」 なんて勝手なこと言ってるなか、Yはおかしなものを見たらしい。
Y「エスカレーターの手を乗せるベルトあるだろ? その左横に、70センチくらいのスペースがずっと続いてるんだけど、
上の方に、体育座りしてる奴がいるんだよ。 始めはキ○ガイが何やってんだ、と思ったんだけど。」
- 408 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/13(金) 01:07:21
ID:fE6VpE7L0
- 51 名前:そーやー B[sage] 投稿日:2008/06/12(木) 01:38:05 ID:Dc1+2+Na0
Y「誰もそいつに気づいてないっぽいんだよ。おかしいだろ? あんなとこに座ってたら普通、みんな気付くだろ?
で、マジマジ見てたらそいつ、片方靴履いてないんだよ。 それで、「さっき死んだおっさんだ!」って思ったんだよ。
だけど、東京だから無関心な奴もおかしな奴もいっぱいいるし 俺の誤解だと思おうとしたんだけど、それでも恐怖が収まらなくて。
だって、俺は確実に自分から奴に近づいて行ってるわけじゃん。 思い切ってエスカレーター逆走しようかと思ったけど、下は警察
だらけだし。」
気付いていないフリを決め込もう。 そうすれば、これだけ人がいるんだから
自分だけが選ばれて何かされるなんてことはない。 Yはそう思ったらしい。 気付くとそいつとはもう目と鼻の先。
「勘違いだ」「ただの変わり者だ」と頭の中で念仏みたいに唱えて、 そしてとうとう男と並んだ。
- 410 サルベージマン ◆Nwws3JYmzE sage 2008/06/13(金) 01:09:20
ID:fE6VpE7L0
- 52 名前:そーやー C[sage] 投稿日:2008/06/12(木) 01:40:47 ID:Dc1+2+Na0
けど、何もない。
「やっぱり考えすぎかぁ…」 とYがほっとした瞬間、
「おぃいいいいい!!!!!!!!」
と、ホースを指でつぶしたようなごぼごぼ(?)みたいな音をさせながら もの凄い声で唸られたらしい。 Yが驚いて後ろを振り向くと、
ボロボロのスーツの上に、潰れたトマトみたいなのを乗せたモノが 四つんばいになって
「おまえよくハンバーガーなんて食えるなぁああああああああ」
Yはそこで尻餅を着き放心。
前にいたおばちゃんに「大丈夫!??」と手を貸してもらうが 立ち上がることができず、そのままエスカレーターの終わりまで
座り込んだままだったらしい。 で、なんとか待ち合わせ場所のマックまで来て、俺のハンバーガー見て発狂。
Yはこの話を一気に話し終えると 「でも、人が死んだのを面白がった俺が悪かったんだよな」 と言って反省している様子を見せたが、
そのまま席を立つとカウンターでテリヤキバーガーを注文していた。 おじさん、Yはハンバーガーを食べました。
|