四次元老婆


71 闇男爵。 sage 2006/07/03(月) 23:50:14 ID:8opuQdErO
四次元老婆
ある地方に、
働きもせず、
遊ぶ気力もなく、
ただ、両親から与えられる食事で生きているだけの青年がいた。
彼は死ぬ事ばかりを考え、
何か最高な死様は無いか、
日々模索していた…
オカルトに傾倒していた彼は、
小学生の頃に聞いた噂を思いだした。
学校の4つ目のトイレの、
4番目の個室に、
4時44分44秒に
トイレの水を流すと、四次元から老婆が現れ、死者の国へ誘うとゆう。
自殺する勇気も無い駄目な彼には、
確実に自分を死においやる、完璧な殺人者が必要だった。
そして数日後。
すでに廃校になった夕暮れの学校に、
彼はいた。

72 闇男爵。 sage 2006/07/04(火) 00:01:30 ID:8opuQdErO
>71 の続き
割れた窓から校内へ侵入すると、
手前入口より四つ目のトイレへ向かった。
四番目の個室に入ると、携帯で時報を聞きながら、
4時44分44秒に、水を流した。
……何も起らない。
所詮、噂話か。と立ち去る彼だが、
ふと、トイレ入口の鏡を見ると……
恐ろしい形相の老婆が映っていた!
恐怖で固まる彼は、
鏡より伸ばされた不気味な手に引き込まれ、四次元へと消えた。
……気絶した彼が目を覚ますと………


73 闇男爵。 sage 2006/07/04(火) 00:09:46 ID:SV/foDAaO
>72 の続き
そこには、
とても豪華な造りの家があり、
その豪邸の家主達から手厚い歓迎をうける彼。
夢か現か幻か?
夢の様な時間を過ごし、
生きる希望と力を手に入れた!
しかし、
それは…鏡に激突し、絶命した彼が、
死に際に見た儚い夢だったのだ。
割れた鏡の破片には、不気味な笑顔をみせる老婆が映っていた…
四次元老婆 ・完