隙間


99 闇男爵。 sage 2006/07/09(日) 15:48:02 ID:HvKP3mTLO
隙間…
大学生のK君は、
生活費を節約する為にボロだが家賃が破格のアパートに引っ越す事にした。
荷物は何でも屋に、
格安で運んでもらった。
友人にも荷ほどきを手伝ってもらい、
その夜は仲間内で、
居酒屋に飲みに行った。
深夜に帰宅して、
ベッドではなく、
コタツで横になった。………なかなか寝付けない……。
時計のコチコチという音が部屋に響く。


100 闇男爵。 sage 2006/07/09(日) 15:55:51 ID:HvKP3mTLO

寝返りを何度か、
うつが、やはり寝苦しく、
起きる事にした。
しかし…
起きあがった瞬間、
金縛りにあってしまい、動けなくなった。
脂汗が頬をつたう…。……!誰かに見られている!
しかし人の気配は無い…。
だが刺す様な視線と金縛りは、
明け方まで続いた。
次の日も、また次の日も…。


101 闇男爵。 sage 2006/07/09(日) 16:03:43 ID:HvKP3mTLO

ノイローゼ気味のK君。
睡眠がとれない為、
授業中寝るしまつ。
友人に相談しても、
疲れているんだろ?で片付けられてしまった。
K君は仕方なく、帰り道に神社で、お守りと札を買い、
帰宅した。
その夜……
いつもの金縛りにあわず、今日はゆっくり眠れると、
床についた。
確かに金縛りはこない…しかしいつもの視線は感じる。
おそるおそる視線の先を探した。
そこは箪笥の隙間だった。

102 闇男爵。 sage 2006/07/09(日) 16:12:31 ID:HvKP3mTLO

ここからだ…。
意を決し、箪笥を退かしてみると…
そこには、
髪の長い、女の様な生き物がいた。
人間ではない。
何故なら、とても体が薄いのだ。
女は何か言いたげにK君を見るが、
暫くすると消えてしまった。
K君は部屋にお札を貼りまくり、
再び床に着いた。
それ以来、彼女?は出ない。
K君は知るよしもないが、昔、そのアパートで、長髪のオタク青年が押し込み強盗に、
大ハンマーで体を潰され、死亡する事件があった。
犯人はまだ捕まっていない…
隙間… 完