- 16 1 2006/06/23(金) 00:30:04
ID:xm735dPB0
- 自演でもしつこくageて書くお。オチ読めるかもしれんが。
私は幼い頃から表情を変える事を許されなかった。
人を目で追う事すら許されなかった。 皆、まるで私がいないように振舞うのだ。
私が皆に嫌われていると自覚するまで、そう時間はかからなかった。
そんな私にも最近、気になる女の子が出来た。
ポニーテールで、名前をゆきちゃんというらしい。 私はこれ以上人に嫌われたくなかったから、今までなるべく目立たずに生きてきた。
だが、そんな私でも、恋をしていいと、彼女はの笑顔は言っていた。 私は気付かぬうちに、彼女を目で追っていた。
彼女に私の気持ちを伝えたかったのだ。
ある日の放課後、音楽室で一人、ゆきちゃんはリコーダーの練習をさせられていた。
私はいつものように彼女を目で追った。 臆病な私にとって、人を目で追うことは莫大な量の勇気を必要とした。
だがそれでも私は彼女を見つめ続けた。私の視線に気付いてほしかった。
そして、彼女は私に気付いた。
最初彼女は私がいたことなどまるで知らなかったような表情をしていた。 だが彼女は私の視線に気付くと、顔を青くして高叫んだ。
「先生!!ベートーベンのポスターが動いてる!!」
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