障子にうつる影
26 【障子にうつる影】 sage 2006/11/29(水) 04:45:43 ID:qBG35JdxO
僕の母さんが自殺した。
僕の寝室からは、母さんが首をつった木が見える。
毎夜、月明かりに照らされた母さんの最後の姿が、障子にうつる。
昔、母さんから聞いた話を思い出す。
『ワシントンは、桜の木を折ったことを正直に話した・・・』

翌朝、
『父さん・・・。
母さんは、自殺じゃない。
僕が殺したんだ・・・。
財布からお金を抜いたり、家庭内暴力で母さんを追い詰めたから・・・』
おじ:『いいや、俺が義姉さんに無理矢理関係を・・・』
おば:『いいえ、それを知った私が、姉さんを脅迫したから・・・』
祖父:『いや。ワシがあの嫁の会社に、誹謗中傷のビラを撒いたから・・・』
祖母:『そんな。私がご近所に、あの嫁の悪口を、あることないこと吹聴したから・・・』

『・・・皆、よく言ってくれた。
父さんは、それが聞きたかった。』

翌日、僕は更正施設へ。他の皆はそれぞれの罪状で収監された。

母さんは自殺から他殺扱いになった。
父さんの手元には、多額の保険金がはいった。