分からない(くねくね)

176 本当にあった怖い名無し sage New! 2007/01/30(火) 17:45:30 ID:wIZurt/90
ある夏の話です。
その日は晴れているのに、何故か外で遊ぶ気がせず、兄とふたりで、家の中でゲームをしていました。
ふと、兄が立ち上がり窓のところへ行ったので、僕も兄のそばへ行きました。
窓の外には、不思議な光景がありました。
白い服を着た人(?)が、くねくねと身体を貴妙に曲げ、踊っているのです。
僕は兄に「あれ何?」と聞きました。
すると兄は、少し間を置いてから「分からない方がいいよ」と言いました。
そして窓から離れ、またゲームを始めました。

その出来事から間もなく、兄は、知的障害になってしまいました。

それから暫くして、僕はひとりでゲームをしていました。
僕はふと、あの時兄が見たものが気になりました。何となく窓の外を見てみると…
なんと、あのくねくねと動く人が、いるのです。
あまりの驚きに、あっと声をあげると、その人は僕に気が付いたようでした。
相手の顔も分からないほど遠い距離にいるのに、こちらに気が付いたことが、分かるのです。
まずい、と思い身を隠しました。そして、もう一度恐る恐る窓の外を見てみました。
僕は叫び声をあげました。あの人が、先程よりも近付いてきているのです。
あまりの恐ろしさに、動けなくなってしまいました。
その間も、その人は、確実にこちらに近付いてきているのが分かります。近付いて来る度に、くねくねというその動きが頭を支配してゆきます。

次の瞬間、僕はあの人が、くねくね動くそれが何なのか分かりました。
そして、何もかも分からなくなりました。