- 311 本当にあった怖い名無し
sage 2007/04/02(月) 03:20:33
ID:s0vH6xcI0
- 『紫鏡』
このことばを二十歳の誕生日までに忘れないと死ぬという話がある。
そしてここにも、小学生の頃本で読んでから忘れられない19歳が一人……。
彼は怯えていた、四月二日そうその日が彼の誕生日だ。
そして今日は四月一日、時刻は二十三時を過ぎて三十分経っている。 残り三十分で彼は忘れなければならない。
忌まわしき『紫鏡』という呪詞(ことば)を………
だが忘れようとすればするほど、それは頭に記憶にしっかりと刻み込まれていく。
時計の針も刻一刻と時間を刻んでいく、彼の二十歳の誕生日へと。
「忘れなければ、『紫鏡』を!」 ………残り二十分
「わすれなければ、『むらさき かがみ』を!!」 ………残り十分
「ワスレナケレバ、 『 ム ラ サ キ カ ガ ミ 』 ヲ」 ………残り ゼ ロ
彼は強く瞑った目をあける。
「…………あれっ、生…きてる!? ふっ、なんだ、『紫鏡』は迷信…只の都市伝説だったのか。」
しかし彼は生の安堵とは裏腹に何か寂しそうにこう呟いた。 「十年間、楽しかったよ……、ありがとな……『紫鏡』」
そして彼は床に就いた。 しかし彼は知らない、之が永遠の眠りとなることを……………
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