黄色い紙

92 【赤い紙・青い紙】 2006/12/17(日) 23:10:11 ID:Aqx0/WPwO
放課後、トイレに入っていると急に中に閉じ込められる。
驚いて開けようとしていると、何処からとも無く
「赤い紙は要らんかね〜?青い紙は要らんかね〜?」
と声が聞こえて来る。
もし、「赤い紙」を選ぶと全身血まみれの真っ赤になって殺される。
もし、「青い紙」を選ぶと体中の血を抜かれ真っ青になって殺される。
助かるには「黄色い紙」と言うといい…
これが、僕の学校に伝わる怖い話だ。

ある日の放課後、僕はトイレに閉じ込められてしまった。
暫くノブをガチャガチャ回していると、怖い話の通りに
「赤い紙は要らんかね〜?
青い紙は要らんかね〜?」
と聞こえて来た。
暫く黙っていると、声は段々大きくなって来る…
「き…黄色い紙黄色い紙!!」
怖い話を思い出して何度も叫んだ。
それでも声は止まず大きくなる。
僕は叫び続ける……


「可哀想に…余程怖かったのだろう」
「突然鍵が壊れてしまい、しかも放課後の誰もいない時に…俺がこの子であっても、一晩閉じ込められたら気が狂いますよ」
発狂し、「黄色い紙黄色い紙」と叫び続ける少年を救急隊員が保護して運んで行く。
そして、暫く経ち…誰も居なくなった筈のトイレに、例の不気味な声が響いた。
まるで、歌うかの様に…
「赤〜いか〜みは血〜まみれ。青〜いか〜みは真っ青で。黄色いか〜みは……気〜違い」
楽しむかの様な声は、何時までも何時までも続いていた…


95 【赤い紙 青い紙(別Ver.)】 鴉 ◆SURvnsCrow sage 2006/12/20(水) 12:39:56 ID:GHJhtJD90


(前略)

「き…黄色い紙黄色い紙!!」
怖い話を思い出して僕は叫んだ。
途端に、声がピタリと止む。
「た…助かった…?」
思わず安堵の息を吐く僕の頭に何かがかかった。
下ろして見てみると…黄色い紙。
僕は上を見て…噂を聞いた事を後悔した。

壁と天井との隙間から黄色い巻紙が降りてきて…それが僕に巻きつき始めた。

どんどん、どんどん…
必死にもがく僕を嘲笑うかの様に、紙は僕の体を幾重にもぐるぐる巻きにして…そして、ついに顔にも巻きつき始めた。

口を塞ぎ、鼻を塞ぎ…
薄い紙だけど、幾重にも重なると苦しくなって来た。

視界まで奪われようとした瞬間、例の声がポツリと呟いた。
「僕…訊かれた事だけを答えようね〜…?」
ああ…明日学校に来た皆は、黄色いミイラになった僕を見て何を思うだろう?
と言うか、「黄色い紙と答えると助かる」って噂は誰が流したんだろう?
視界が黄色くなって、すぐに黒くなった…