- 106 mmmm 2006/07/10(月) 17:09:40
ID:26Gum0Ff0
- 1さん乙。
このスレ見てわたしも書きたくなりました。 怖くなかったらスマソ。
長引く雨、季節が夏へと進むと共に暑さが湿気に混じって不快が増してくる。
天気予報ではもうすぐ梅雨明けといっているが、今日も空には分厚い雲が立ち込めている。
こんな蒸し蒸しした不快さを吹っ飛ばそうと、会社の仲間たちで飲み会を開くことになった。
こんな日はビールが一段と進む。話が弾むに連れてお酒を飲む量もどんどん増えていった。
さて、お開きになったところで、恵子が優子の肩を叩いた。
「ねえねえ、もうすでに終電を見逃しちゃったんだ、悪いけど、今晩、優子の家に泊めてくれない?」
恵子は実家から2時間半掛けて電車で通勤しており、タクシーで帰ると軽く6000円は飛んでしまう。 「いいよ。明日は休みだし、家でゆっくりして。」
会社の近くで一人暮らしをしている優子は快く引き受けた。
恵子はかなり酔っているらしく、優子に介抱されながら優子の住むマンションへと入った。
二人は、部屋にたどり着いてもしばらく床に就くことはなかった。
翌日が休みであったこともあり、二人はソフトドリンクとスナック菓子を手にしながら会社仲間の話や恋愛話で盛り上がった。
どれくらい時間が経っただろうか。二人はいつの間にか眠りに入っていた。
ふと、優子が寝ているベットの下で寝ていた恵子が目を覚ます。用を足したくなったのだ。
ぐっすり眠っている優子を起こさぬよう、そっと暗闇の中を歩きながらトイレに向かう。 そして戻るときもそーっと・・・・ 「・・・・!?」
何かがおかしい・・そう思った恵子は傍にあったドレッサーを見つめた。そして、ドレッサーに掛けてある布を少しずつ捲くり上げた・・・・
- 107 mmmm 2006/07/10(月) 17:35:51
ID:DrUn83lB0
- つづき
布を15cmほど捲くり上げたところで恵子はギョッとした。
何と、優子が寝ているベットの下で見知らぬ男が大きな斧を持ってじっと息を潜んでいるのだ。
幸いにも、男は眠っているらしく、恵子の一連の行動に気づいていない。
一瞬体を硬直させてしまった恵子であったが、すぐに我に振り返り、ぐっすり眠っていた優子の体を揺さぶった。
「ねえねえ、優子、起きて!!ねえってば!!!」 だが、優子は深い眠りに入っているのか、なかなか目を覚まさない。
今度は、さっきより激しく優子の体を揺さぶりながら「起きて!」と無理矢理起こす。 ようやく優子が目を覚ました。しかし、時刻は深夜3時。
「何よ!何時だと思ってるのよ・・・」と不機嫌そうな声で恵子を罵った。 「ねえねえ、お腹空いてない?アイスクリームが食べたくなちゃった。」
「はあ?!アイスだったら冷蔵庫に入ってるわよ。それを食べたらいいじゃん。」
「ううん、違うの、冷蔵庫にあるアイスとは違うのを食べたいの。一緒に買いに行こうよ。」
「何バカなこと言ってるの?子どもじゃないんだから。食べたければ勝手に買いに行けばいいでしょ??」
ただでさえ無理矢理起こされ、不機嫌なのに、恵子の幼稚な発言にますます優子の機嫌が悪くなる。
「何行ってるの。こんな夜中に女が一人でコンビニ行ったら物騒だよ。ねえ行こうよ、ねえ!」
恵子は無理矢理優子の手を引っ張ろうとする。しかし、優子はそれを振りほどいた。
「何なのよ!あんた!何か起きたかと思ったら、「アイスが食べたいです」って?私のことを舐めるのもいい加減にしなさいよ!
ったく、泊めなきゃよかったわ。」 そういうと、優子は乱暴に布団を被り、再び眠りに就いた。 (ベットの下に殺人鬼がいるのに・・・・・)
恵子はそれを言い出せないでいた。 しかし、恵子はふと閃いた。優子を外へ引っ張り出すことができないのなら、
わたしがアイスクリームを買いに行くフリをして交番へ駆け込めばいい。 幸いにも、ベットの下の男はじっとして動いておらず、まだ眠っているようだ。
恵子は、「じゃあ、一人でアイス買って来るね!」と言い残し、優子を部屋に置いたまま外へ飛び出していった。
- 110 mmmm 2006/07/10(月) 18:16:14
ID:10pTmwU80
- つづき
恵子は一目散に交番へと駆け込んだ。 警察に事情を話し、警察官と共に優子の部屋へと向かう。
「どうか、優子が無事でありますように・・・・」 そう祈りながら玄関のドアを開け、電気のスイッチを押す。
「!?」
眠っているはずの優子がいない。そして、ベットの下にいた男もいない。 優子はあの男に拉致されてしまったのだろうか?
呆然と立ちすくむ恵子に後ろにいた警察官が尋ねた。 「どういう状況だったんですか?」 恵子が口を強張らせながら応える
「ゆ・・優子は、そ・・そこのベットに寝ていて、男は、その下に隠れていたんです。」 「ほほう・・どんな男でしたか?」
「暗くてよく分からなかったのですが、かなりガッチリした体格の大男だったと思います。」 「服装は?」
「黒っぽい、そんな服だったかと・・・・」 「分かりました」
おもむろに警察官は、持っていた手帳を閉じると顔を見上げた。
そして、冷蔵庫に手を掛けた。
つづく
- 111 mmmm 2006/07/10(月) 18:17:15
ID:10pTmwU80
- 「あなた、さっきアイスクリームが食べたいとおっしゃってましたね?」
「え・・・はあ?」
恵子はアイスクリームを買いに行こうと優子を誘い出した旨を警察官には一切言っていない。 警察官は続けざまに言う。
「あの時、優子さんがアイスクリームを買いに行くことを素直に応じてくれたらこんなことにはならなかったのにね。」
ただならぬ空気に恵子は体が完全に硬直してしまい、逃げたくても逃げられなくなってしまった。 「優子さんはねえ・・・・」
警察官が冷蔵庫の扉を勢いよく開けた 「ギ・・キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
叫び声と共に恵子の首が勢い良く飛び、彼女の足元に頭がゴロリと転がった。
『OL二人、首を切断され殺害される』
2日後、この大きな見出しがどこの新聞社にも目立った。 いつの間にか優子の住んでいたマンションには大勢の報道陣が詰め掛けていた。
「こちら、事件現場です。殺害された二人の女性はどちらも首を切断されており、
優子さんは冷蔵庫の中から、そして、恵子さんは玄関入ってすぐの台所でそれぞれの首が見つかりました。
しかし、不思議なことに二人の胴体が見つかっておりません。凶器もまだ見つかっておりません。
捜査本部では、二人の胴体を犯人が持ち帰ったものとみて、捜査をしております。以上、事件現場からでした。」
以上、都市伝説『ベットの下の殺人鬼』でした。
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