口裂け女


21 1 2006/06/24(土) 03:08:50 ID:W0VRhJZa0
自分で作っといてなんだが難しいな。
まぁ全部自演で終わらせる勢いで続ける事にする。

私は生まれた時から口が裂けていて、同級生から『口裂け女』と呼ばれて忌み嫌われていた。
母は私の顔を見るたびに泣き叫び、私は母から生活費だけを渡されて一人で暮らしていた。
ただ妙なのは私自身は自分の顔を不気味ともなんとも思わないことだった。
むしろ、きれいとさえ思っていた。
だから周りの人に気味悪く思われるのは私にとって屈辱だった。

私が周囲の人と打ち解ける方法に気がついたのは高三の時。
風邪をひいてマスクをして学校に行った時だった。
その時だけは以前まで冷たかったクラスの視線が緩み、私に話かけてくる人さえいたのだ。
それまでは、高校で誰とも会話などした事がなかった。

大学に進学して、私は毎日口にマスクをするようになった。
そうすれば誰もが私に話かけてきてくれた。時には美人とまで言われるようになった。
だけど皆、私の素顔を見た途端に逃げ出した。私にはどうしてもそれだけが理解出来なかった。

━━━みんなあれほど私の事を美人だと言っていたのに……みんな、おかしいよ……

マスクをしている時は美人なのに、マスクを取った途端化け物呼ばわりされる事に私はどうしても納得できなかった。
だから私はみんなを見返すためにいろいろな人に自分の顔について聞いてみる事にした。
そうすればみんな自分の感覚がおかしいと気付くはずだ。



22 1 2006/06/24(土) 03:09:41 ID:W0VRhJZa0
夜。
公園で私はマスクをつけてたっていた。夏なのに外は異様に寒く、私はそのためロングコートを着ていた。
その時、公園には一人にサラリーマンがいた。私は彼に声をかけた。
「ねぇ、私、キレイ?」
すると彼は少し困惑したようにこう言った。
「え?あぁ、キレイですよ」
やっぱり!私は美人なんだ!私は心の中でガッツポーズを作った。
さらに自信をつけるため、私はマスクを取って彼に聞いた。
「……これでも?」
えぇ、きれいですよ。その言葉が来るのを私は確信していた。
だが、違った。
「うわぁ!!化け物ぉ!!!」

頭の中が、真っ白になった。
自分の中の私と言う偶像が崩された気がした。
そして私は鎌を持っていた。

どこの鎌かはわからなかった。ただ私は目の前の男を殺したい、それだけを考えていた。
私は鎌を男にむかって振り下ろした。手になんとも言えない感覚が走り、鎌は男の目をえぐった。
その感覚が少し癖になり、私は再び鎌を男に振り下ろした。今度は指が四本、切れた。
耳が痛くなるほどの絶叫が聞こえた。私はその声がもう一度聞きたくて鎌を振り下ろす。
私は男の腹部を狙ったつもりだったが、男が抵抗したため鎌は彼の生殖器を切り取った。
私は何度も男に鎌を振り下ろした。振り下ろすたびに男は絶叫し、やがて絶命した。
月明かりで照らされた公園には私と男の死体だけがあった。
すこしやりすぎたかもしれない。
男の顔はもはや原型をとどめておらず、鎌でえぐり続けたため、肉眼で生前の彼と判別する事は不可能だった。
私は鎌を見た。男の目玉が刺さっていた。