白い手


243 闇男爵。 sage 2006/08/13(日) 21:53:18 ID:+I0/eVlCO
白い手
あれは俺が大学のサークル仲間と海に行った時に体験した出来事。泳ぎに飽きた俺達は、釣りでもしようかと、堤防へ向かった。
だが魚は釣れない。
場所を移動しようかと話あってると、
岬が見えた。
移動すると爆釣!
面白いように魚が釣れる。
だけど奇妙な事に釣人が一人もいない。
おかしいなと思ったけど、楽しいので直ぐに忘れてしまった。
盛り上がってると、
サークルの女の子が一枚写真を撮った。


244 闇男爵。 sage 2006/08/13(日) 22:05:08 ID:+I0/eVlCO

その時はまだ、
この後おこる事は予想していなかった。
夜、沢山の魚を釣って宿へ…
宿の女将さんは最初はよく釣れたね〜なんて感心してたんだけど、釣り場を言ったら、
急に態度がよそよそしくなった。
食事が終わって部屋に戻ると、
俺らの泊まってる部屋の前だけ盛り塩があった。
その時は塩の意味は解らなかったんだけど、その夜におきた事で理解出来た。
深夜。適当にゲームやって、飽きたので寝る事になった。
皆が寝入ると、誰彼構わずにうなされだした。勿論、俺も。


245 闇男爵。 sage 2006/08/13(日) 22:22:32 ID:+I0/eVlCO

俺は寝つけなくて起きてたんだけど、
金縛りにあって動けない。
窓の方を見てると、
いや、見させられてたのかも…。
凄まじい数の白い手がお互い絡みあいながら、海から伸びてくる。閉まってる窓も、
ゆっくりと空いた。
部屋の中に入って来た手は仲間に絡みつき、やがて首を締め出す。俺の所にもきた。
冷たくて悲しい手だった。同情して死にたくなるしまつ。
数時間経過して、空が白み始め、俺らは解放された。
朝、女将さんに尋ねると、俺らが魚を捕った場所は戦争中、何十人もの人が集団で自決した場所で、そこで釣りをすると祟りがあるという曰く付きの場所だったみたいだ。
撮った写真には、
おびただしい数の手が海から昇っていた。
あれから数年経った。俺は欝で通院中。
仲間も何人か自殺した。毎晩あいつらが現れる。白い手は俺ら全員を殺すまで現れ続けるだろう。…完