- 352 山小屋1
sage 2006/09/03(日) 12:38:06
ID:pMlZjYGH0
- あるカメラマンが写真を撮るため、助手とともに奥深い山へと入った。
大きな仕事となることを確信していたカメラマンは、
山小屋を借り、そこへ滞在していた。
しかし数日後、助手が怪我を負い、撮影補佐ができないようになる。 駆け出しだったカメラマンは、
撮影が終わるまで山を降りることはできないと言い、 助手もその意見を支持したため、
次の日からひとりで、草花の生い茂る山の風景を撮影することにした。 助手を小屋へ残して。
その数日後、助手は死亡した。怪我の悪化が原因だった。 カメラマンは哀しみに暮れるも、彼の死を無駄にしてはいけないと、
一層撮影への情熱が沸き、続行することにした。 すこし、おかしくなっていたのかもしれない。
カメラマンは撮影の前に、山で見つけた見晴らしのいい花畑へ助手を埋めた
。
- 353 山小屋2
sage 2006/09/03(日) 12:38:39
ID:pMlZjYGH0
- しかし、次の日からおかしな現象が起こるようになる。
朝花畑で埋めたはずの助手の遺体が、 次の朝には自分の隣で横たわっていたのだ!
カメラマンは、妙な思いを抱きながらも、助手を再び葬った。
だが、何度埋めても、必ず戻ってくる助手の遺体。
それに加え、ここ数日の悪天候と撮影不調とも相まって、カメラマンはついに
発狂してしまった。
彼は、手持ちのナイフで喉を掻っ切って自殺した。
ここまでが、後に関係者が突き止めた山小屋での全容である。
ずっと連絡が取れないことに疑問を感じた編集者が、 管理者と共に山小屋を訪れたのだった。
カメラマンや助手がつけていた撮影メモから、この事件が判明したというわけ
である。
- 354 山小屋3
sage 2006/09/03(日) 12:39:54
ID:pMlZjYGH0
- そして、遺留品として残された一片のビデオテープ。
助手が撮影の様子を収めるために持参したものだが、このひとつに、
カメラマンが体験した不思議な出来事の真実が記録されていたのである。
暗い小屋の中。カメラマンが一人で寝ている。
突然彼は起き上がり、よろよろと小屋を出て行く。 彼が歩く獣道には、草を掻き分けた後が残っている。
そう、助手を埋葬した花畑へと向かっているのだ。 花畑に着いた彼は、助手を掘り起こし、再び小屋へと戻った。
関係者は皆、胸がつまる思いでテープを見ていた。
しかし、ここで新たな謎が出てくる。
このテープはいったい誰が撮影したものなのだろうか (了)
どうしても長文になってしまう(´・ω・`)
人に話すときはいいかもしれない
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