「開けてくれ」


493 1/3 sage 2006/09/27(水) 14:50:00 ID:gDgXNai6O
ある日のこと、男女3人(♂2♀1)が山のコテージへキャンプに出掛けた。
夕方になり、3人は夕食の準備をしていたのだが、ガスボンベのガスが切れてしまったので麓のスーパーまで買い出しに行くことに。
誰か1人が車で買いにいけばいいのだが、そこのところは実に複雑な男女関係の思惑があって、男女2人を残すわけにはいかない。
かと言って3人で出掛けて夕食の準備の途中をほっぽりだすわけにもいかないし、その彼女に関してはそもそも免許を持っていなかった。
こうなると必然的に男性2人が買い出しにでることに。
そして残された彼女は引き続き夕食の準備をすることに。
行楽のシーズンではあったが、平日のせいかこのキャンプ場には他の人影は見当たらず、秋の夕日はどんどんと落ちていき彼女を闇に包んでいく。
ときおり吹く風が木や落ち葉を揺らしてはざわめき、どうにも心細くさせる。
‐どうせならあたしも行けばよかった。

494 2/3 sage 2006/09/27(水) 14:51:16 ID:gDgXNai6O

キャンプ場から麓のスーパーまで往復でだいたい30分。
それまで彼女は不安に押しつぶされそうになりながら、黙々と手を動かし続けた。
…車がキャンプ場を出ていってもうすぐ2時間になろうかという時、1人の男がコテージに足を引きずりながら近付いてきた。
買い出しにでた男の片割れのAである。
なんと、買い出しの帰りに運悪く事故を起こしてしまい、ケガした足を引っ張りながらも必死にコテージまでやってきたのだ。
「おい、開けてくれ!」
彼は思い切り木の扉を叩く。
間もなく扉が開き、青ざめた表情の彼女が戸口に立って顔を出した。
「ねえ、どうしたの?」
「いいか、落ち着いて聞くんだ!実は…」
Aはさきほどのことを話した。
さらに一緒にいたBは出血がひどく、呼び掛けてもぐったりしたままだったと…

495 3/3 sage 2006/09/27(水) 14:52:45 ID:gDgXNai6O

「とにかく携帯で助けを…」
…おーい。
まさか…はるか後ろから血まみれのBが手を振りながら走ってくる!
「そんな、あいつは死んだはずだ!に、逃げなよう!」
しかし、その言葉に反して2人の足は持ち上がることすらなかった。
不意に彼女はAにすがりついた。
すぐ近くまでBは迫ってくる。
B「おいおい、置いてくなよ!」
A「た、たのむ成仏してくれ…」
B「バカか、勝手に殺すなよ!確かにあの血の量には俺もビビったけど気ぃ失ってただけだよ!」
A「え」
B「縁起でもない誤解すん…」
Bが2人の目の前に立った瞬間に、絶叫しもときた道をころげるように走り出した。「ちょ、おいB‐?!」
彼女の回した手に力が入り、Aの体をきつく抱き締める形になる。
「く、苦しいだろ!こんな時にいったい…」
尋常ではない力がAの腰と骨を砕き、みぞおちから上と下の2つにわかつまでそう時間はかからなかった。
Bは蛙をひねりつぶしたような悲鳴を背中に聞きながら、溢れ落ちる涙も気にとめずにひたすら走った。
Bは確かに見た。
あの時2人の肩越しに見えた“彼女”のなれの果てを…

496 本当にあった怖い名無し sage 2006/09/27(水) 17:50:36 ID:QBt2VOez0
最後はどう言うオチ?バカでスマンorz

497 本当にあった怖い名無し sage 2006/09/27(水) 19:32:06 ID:EFpitm71O
>>496
自分も分からなかった
彼女は待ってる間に何らかの理由で死んだってことかな?

498 本当にあった怖い名無し sage 2006/09/27(水) 19:42:45 ID:u4jP1itp0
>あの時2人の肩越しに見えた“彼女”のなれの果てを…

ってのは、
背中を向けた「A」
と、Aを抱き締めている「彼女」
の後ろに何かいたってことかな?

それとも、俺が文盲なのかな?

500 本当にあった怖い名無し sage 2006/09/27(水) 21:12:21 ID:gDgXNai6O
>>496-498
分かりにくくてスマソ
自分としては、AとBは無事だったが、待っている間に彼女は何かに殺され、Aを殺したものがすりかわっていた、って感じにしたかったんです。
で、Bは彼女の死体を見て逃げ出したと…