湖面の母娘の話(今度は落とさないでね)

758 本当にあった怖い名無し 2006/11/05(日) 10:18:36 ID:7zPnwEKq0
湖面の母娘の話  願い

「ね〜ママ」と娘は上機嫌で話し掛けてきた。
「なに?」
「ボートって気持ちいいね!」
「そうね・・・ママも久し振り、パパも来れば良かったのにね」

そう、7年前に来た時もこんな風にはしゃぎながら娘と話した
そしてあの娘を失った、私の不注意のせいで・・・この娘は妹に当たる。

「・・・ぇ〜、ねぇ〜ママってば、ママいつもボ〜としてる、つまんない」
「え、ああ、ごめんなさい。空気が気持ち良くて、ちょっと・・・ね。」
「ん〜〜〜、わたしも眠くなってきちゃった・・・」
「ふふ、いいわよ少し眠りなさい・・・夕子」

娘はすやすやと気持ち良さそうに寝ている・・私は何をしてるのだろう。
インターネットであの話を見てもしかしたらって思ったけど
今更あの子に会って何を話せばいいの? やっぱり私どうかしてる、主人の言う通りだ。

少し経って夕子が起きたみたいだ、私は「おはよう」と言ったら娘も返事を返す。
「おはよう・・・お母さん」

759 本当にあった怖い名無し 2006/11/05(日) 10:20:11 ID:7zPnwEKq0
湖面の母娘の話  会話

「えっ!・・・ああ、おはよう」 私はびっくりした、いつもママって甘えているのに。
「これからはママじゃなくてお母さんなの?さびしいけど少しお姉ちゃんになったのね」
「何言ってるの? 昔からお母さんって呼んでたじゃない・・・お・か・あ・さ・ん」

!? もしかしてあの話、本当だったの・・・じゃあ、この子は!!!

「渚? 渚なの?」
「そうよ、お母さん随分老けたわね」

やっぱりそうだ!この少し小生意気な物言い、渚だ
夕子にはお姉ちゃんの事なんて話した事は無いし、存在自体知らないはずだ。

「ねえ、お母さんの事・・・恨んでる?」
「いいえ、恨んで無いわ・・・また話せるなんてね」
「ごめんね、私あの時ボ〜としてて、あなたが落ちた時すぐに助けれたら」
「いいの、わたしが悪かったの。お母さんの注意を聞かないで立てたっりしたから・・・
自分が悪いって分かってる、分かってるけど・・・・・ここは・・さみしいよっ!・・・」

泣いてる、渚が泣いてる。私が悪いのに・・・私のせいで泣いてる。
実際、半信半疑だったけど私は何をしにココに来た? なんでココに来た?
そうだ・・・この子の為に・・・・・この子を救う為にココに来たんだ!!!

「もう・・・寂しく無いから、これからはお母さんも一緒よ」
「な、なに言ってるの。この子はどうするの?」
「夕子? 夕子は大丈夫、主人がいるもの・・・それに・・・・・ううん、何でも無い。
もう寂しく無いわ、これからはずっと一緒よ・・・渚」

そういい残して母親は湖へと身を沈めた、夕子と携帯電話をボートに残して・・・・・

760 本当にあった怖い名無し 2006/11/05(日) 10:20:57 ID:7zPnwEKq0
湖面の母娘の話  真実と想い

5時間後、夕子は救助された、妻が携帯電話を残してくれていた事が大きかった。
妻は自殺扱いになり俺は事情聴取からやっと開放された。

「ねぇ〜パパ、わたしパパが言った通り上手におねえちゃんの真似できたよ」
「よくできたな、偉いぞ」
「これで新しいママといっしょに遊べるの?」
「ああ、これからはず〜っと一緒だよ」
「やった〜、前のママはいつもボ〜っとしてて遊んでくれなかったもん」
「そうだな、あいつもあんな事さえ無ければ良い母親だったんだがな」

あの日、偶然妻が開きっぱなしにしていたサイトを見て相当追い詰められていると
知った、反面これは使えるかも知れないとも思った。
妻はあの日以来何事にもやる気がなく、生きる気力を失ったみたいだ。
俺はもう妻に嫌気がさしてこの計画を考えた、夕子に渚の仕草、振る舞いを
教え込んだ、浮気相手にも手伝って貰ったせいか夕子も懐いてる。
そしてついに実行に移した。

「これで良かったんだ、これで・・・あいつも少しは救われただろう」
「パパ〜、はい、ママのでんわ」
「ああ、今となっては只の遺品か・・・・・ん?なんだ、ボイスメモ?」

それに気付かなければよかった。再生しなければ良かった、心底悔やんだ。

「あなた、ごめんなさい、私は渚の元に行きます。
夕子はとてもがんばって渚を演じてくれたわ、だから褒めてあげてね。
そして新しい奥さんと一緒に夕子を幸せにしてあげてください。
ただ一つ、あなたどうしてあの時に渚が立てった事知ってたの?一緒に乗って無かったわよね?」

「なんだ?なんだよ?立てった?立てったってなんだよ?夕子、立てったってなんの事だよ!」
「ごめんなさいパパ、ボート乗ってたら気持ち良くなってきて何も覚えてないの」

761 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 12:47:54 ID:pgr81a0u0
>>758-760
乙です。面白かったです。
嫌な男ですね〜、この旦那。

ところで、渚夕子をご存知の世代ですか?

762 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 12:52:40 ID:Xl5gCcVlO
ほんとに「立てった」ってなんのことだよ!なんで何度もタイプミスしてんだよ!
「立ってた」を間違えて覚えちゃったのかよ!

763 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 13:49:42 ID:7zPnwEKq0
>>761
クレヨンに続き反省点も多いですがありがとうございます。
渚夕子って人いるんですか?いや、いるんだろうけど有名人でしょうか?
ちょっと調べてきます。因みに私は27歳です。
名前については夕焼けの海辺が好きなので夕子と渚にしました。

>>762
いいえ、タイプミスでも無く、勘違いでも無いです。
渚は「立ってた」から落ちたのでは無くて「立てった」拍子に落ちたので
あえてこの表現を使わせて頂きました。


764 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 13:54:37 ID:PZ+isV5t0
>>763 おもしろかったけどその 立ってた これの
表現変えないと皆に伝わらないかと。
その説明も微妙すぎる・・・


765 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 14:47:06 ID:bjWHWJUP0
「立った拍子」じゃなく?

766 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 14:48:30 ID:G81lHrZIO
なんなんだよ、わからねぇよおおお

767 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 15:02:43 ID:RrK/pBAT0
たぶんクララが立った!系だろうなあ。
・・・たてったは758さん地方の方言かなあ。

って立てったとか色々見てるうちに「立」のゲシュタルト崩壊してきたorz

768 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 16:04:00 ID:dOf7xO5IO
立ち上がったって言いたいのかな?立てった、って日本語じゃないような…

769 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/05(日) 16:26:49 ID:7zPnwEKq0
すみません、小一時間調べた所「立てった」というのはこちらの方言の様です。
読み辛くて申し訳ございませんでした。
「たてった」を変換すると「他哲多」になって私のパソコン頭悪って思ってました。

誤「立てった」 → 正「立った」 に脳内変換して下さい。

>>765
立った拍子で良いです、立って遊んだから落ちたでは無いです。