山姥


944 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/21(火) 02:22:37 ID:tNOblJ230
峠の山姥伝説。

宿を求めて山の中をさまよっていると、明かりが見えた。
親切な老婆が泊めてくれるというのでお世話になることに。

夜中ふと目を覚ますと障子越しに明かりが射しこんでいる。
何やらごそごそと音もする。
隙間からそっとのぞいてみると、なんと一羽の鶴が機を織っているではないか。
べつに鶴に恩返しされる覚えは無いがなあ、などと不思議に思ったが、
まあ何か危害を加えられることも無いだろう。
そんな暢気な納得をして、また床へ戻った。

その気配を察した山姥はさっさと鶴の着ぐるみを脱ぎ、
「さて。旅人は安心して寝た様だわい」とほくそ笑んで包丁を研ぎだした。